- 離職率の多い職場の特徴が知りたい方
企業に勤めているとなかなか自分の職場以外は把握しにくいですが、2023年今の世の中は多くの職場が人手不足に悩んでいるようです。
実際に私が勤めている職場が離職率高すぎて「この職場ほんとに大丈夫なのか?」「どうしてこんなに離職率が高い?」と不思議に思って本を探したのがきっかけです。
今回は上村紀夫先生作『「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?』という書籍のレビューになります。
本書から学んだことと私自身の体験談を含め離職率の高い職場について考察していきます。
筆者情報
筆者情報 | ||
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著者名 | 職業 | |
上村紀夫 | 『ココロを扱うコンサルティングファーム』株式会社エリクシア設立者 |
「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」より人手不足の3つの理由を学んだ
ご自身の勤めている以外の業種ってあまりなじみがないので「自分のいる業界だけが人手不足なのかなぁ?」と思う方が多いかもしれません。
ですが、時は2024年現在、実際は私の業界・あなたの業界だけでなく全体的に人手不足の業界が深刻化している時代であります。
誰も入社しないのにどんどん自分の会社から退職者が続出していまい、将来が不安な業界はとても多いのが現状です。
とにかくどこも人手が欲しい状況です。
ですが、冒頭でも述べましたが人が辞めてしまうのに新しい人材が入社してこない業界が多いのです。
そうなってしまうと従業員皆が毎日バタバタで自分のことだけで精一杯なので新人さんも育たないような状況に陥ってしまいます。
「少子高齢化だから人が減るのは当たり前」と言われればそれまでのお話かもしれませんが、本書を読んでみるとそれだけではないようです。
皆忙しく疲弊する
離職率の高い職場は皆がイライラしています。
皆がバタバタで余裕がないので、他者の気持ちまで汲むことができなかったり、多忙のストレスでギスギスしやすくなってしまいやすいです。
役職者はどんどん仕事を部下に教えるのが当たり前と思う方も多いとは思いますが、責任が付きまとうため残業が増えたりして人がいないと個人で背負う仕事量も増えてしまうのです。
だれもハッピーにならないのも毎日が苦痛なだけで離職の原因になるでしょう。
ストレスにより弱いモノいじめや嫌な雰囲気で新しい人材が育たないままやめてしまい、生産性も低下してしまいます。
教育係が嫌になる
離職率の高い職場につきものなのは教育係の人の負担です。
離職率が高いと教える頻度も増えていき、せっかく教えてもすぐに辞めてしまうので教えるだけ損すると思ってしまうのです。
となると教育係の方への負荷もストレスも相当なものになります。
4月の新卒大量雇用みたいにいっぺんに多人数を採用して教育することができればいいのですが、離職率が高い職場ですと中途社員や派遣社員でもとにかく兵隊を集めないといけないので、いっぺんに大量採用している場合ではなくなり、新しく入ってきた人なら個人でも教えないと育たない人が出てきてしまいます。
体調不良になる人が増える
離職率の高い職場ですと、残業超過や休日出勤も増えてしまい一人一人の負荷が増えてしまうので必然的に体調を崩しやすくなります。
辞めてしまった従業員の穴を埋めるのは生き残っている従業員の仕事です。
私の職場なんかはシフト制なのですが、離職率が高いことにより社員さんが急なシフト変更により夜勤に回されることもあり、夜勤日勤夜勤日勤と繰り返し業務をこなして行くうちに体調不良になってしまったケースがあります。
採用は難しいけど離職は簡単
離職率の高い職場ですと、離職によるダメージがとにかく大きいです。
よく言われているのが今の時代は転職時代であり終身雇用は崩壊しています。
今は一つの会社に固執する人も減っており、良い人材は辞めてぶら下がり社員が生き残る風習があります。
やはり厳しい時代だから給料の高い所を望んだり、逆に私みたいに副収入を伸ばして脱サラを目指すために通勤時間も残業も少ない会社に行きたくて転職する方もいるでしょう。
よっぽど幸福度の高い会社じゃないと引き止めるのは難しいと思います。
採用についても企業も焦ってしまい即戦力ばかり求めがちになってしまい、人がいなくて現場が火の車なのに関わらず採用ハードルがやたら厳しい企業が多いです。
人が少ないと即戦力としてスキルの高い人材を求めがちですが、採用ハードルが高くなるだけでなく入社後の離職リスクを疎かにしている企業が多いとのことです。
なので仮に即戦力が入社したとしてもスキルは高いけどメンタルが弱くすぐやめてしまう人材だったりします。
離職率を下げる策がよくない
まず、離職率が高い職場だと会社は働きにくいのが原因だと考えます。
会社としてはよかれとやった策が従業員からすると「それじゃねぇ!」と言った内容になります。
離職率を減らすために会社側も苦肉の策で社員の満足度を満たしているつもりが、実は全く満たされていないということになります。
私がよく思わなかった施策もかねてご紹介いたします。
ノー残業デー
- 残業しないで帰ると次の日に仕事が溜まってしまう
- 曜日の都合でノー残業デーの曜日はどうしても時間のかかる仕事をしなければいけない
今はいかに残業せずにプライベートを大事にする時代なのでノー残業デーの取り組み自体はすごくいいと思うのですが、離職率が高い職場だと一人一人の負担が多く残業するのが必然となってしまうので残業なしで帰るのが難しいです。
私も残業80時間していた職場で毎週水曜日はノー残業デーが導入されておりましたが、その水曜日にお客様に送らないといけない資料作りがありそれがむちゃくちゃ時間のかかる作業でしたので、残業なしで帰るのが不可能でした。
それでも上からは「ノー残業デーなので残業するな」と言われていましたが、どうにもできなかったです。
時短勤務
- 結局8時間以上仕事しなければ仕事が回せなくなる
- 役職持ちが犠牲になりやすい
定時は基本的に8時間の職場がほとんどですが、求人なんか見ていると7時間勤務とか6時間勤務の求人もお見掛けするようになりました。
時短勤務は人によっては理想の環境ではありますが、離職率が高い職場だと個人の労働時間が延びがちなのでいかに7時間・6時間が定時と言われていても守れません。
仮に自信は定時ダッシュできたとしても役職持ちの方がその分犠牲になりやすいので申し訳ない感じも出てくるようになります。
フレックスタイム
例えば普通の会社でしたら9:00までに必ず出社していないといけない等ルールがありますが、フレックスタイムを導入している職場でしたら9:00~12:00までならどの時間でもいいよっていうようなルールとなります。
ですが、離職率が高い職場だと残業するリスクが増えるのでどんどん帰りが遅くなるだけです。
出社時間の融通は聞きやすいけど結局は穴埋めしなければなりません。
給料
- 昇給後の給料が当たり前に感じてしまう
- いかに昇給しようが体調を崩すと1円も稼げなくなる
普通でしたら給料があがることはめちゃくちゃうれしいです。
ですが、離職率が高い職場だと毎日が地獄で体調も崩しやすいのでそれどころではなくなります。
それに昇給ってその時はうれしいものなのですが、昇給後の給料が当たり前になってしまうので意外と長続きしないものです。
大きく昇給しても身体を壊して休職したら1円も稼げないので昇給が価値のないモノになってしまうのです。
感想
- 皆忙しく疲弊する
- 採用は難しいけど離職は簡単
- 離職率を下げる策がよくない
私の会社も離職率が高いのですが、上の人は何かをするわけでもなく「人いないけど今いる人で何とか頑張って状態」で全然人のいない現場に顔出しません。
これだとマイナスにしかならずに将来への不満も増えるばかりで皆ネガティブになってしまいうまくいかないです。
なので離職率を下げるには、待遇や福利厚生をよくするのも大切ですが、社員への理解や働き甲斐の方が大切だと思いました。
離職率が高くて会社そのものがマイナスイメージになってしまうのはしょうがないので、部下に任せるという役割にこだわりすぎずにピンチな時ぐらいは上の人がしっかり皆と課題と向き合うことによって一緒に解決していくのが組織として正しい姿なのでしょうね。
つまり偉い人からの部下への愛が欲しいです!
★★★★
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