- スーパーゼネコンに派遣で就業するデメリットが知りたい
- この記事では嫌な話しかしません、覚悟してください。
- スーパーゼネコンのルールの厳しさをデメリット扱いする表現をしますが、本来建設現場としてあるべき姿です。
派遣ですが現役スーパーゼネコン勤務者が夢のない話をします。
建設業の大手を主にスーパーゼネコンとよんでおります。
『夢があるぞ!!』と
スーパーゼネコンに派遣で勤務することに喜びを感じる方も多くいらっしゃると思いますが、実際は大変なことも多く、嫌になる可能性が高いです。
経験上スーパーゼネコンは中小企業と比べ
なんていう人がいなくて丁寧な解説が多いですが、
- 朝礼、昼礼、夕礼
- 書類の細かさ
- ルールの厳しさ
- 打合せが多い
- メールがたくさん
- 中途半端なデジタル化
- 昼休憩もろくにとれない、残業当たり前
と私のように中小のゼネコンからいきなり、とあるスーパーゼネコンに飛ばされた派遣社員ですと0から覚えなければならないことが多く、覚えてもやること多すぎて頭パニックになります。
もし、気に入られてスーパーゼネコンに入社できたら一気に給料ウハウハかもしれませんが、
高収入なのは結局は残業代だったり、入社年数の問題のケースもあります。
現地で先輩方からお話を聞く限り、中途でもいきなりウハウハとは限りません。
よって入社目当てでの就業でなければ派遣でスーパーゼネコンはオススメできません。
- 現場監督2年生で3つ目の現場
- 雑用ばかりしていたので測量、設計できない
- 2級土木技士補取得済み
- 初めてのスーパーゼネコン勤務
- 8年の工事で工事費用【100億円↓】
筆者のスペック
【現場に迷惑かけないために少し濁してます】
今回体験した現場
派遣社員でスーパーゼネコンに勤務するデメリット7選
経験談で語ります。
私のようにまだ2年生の現場監督が8年もかかる大きぼな工事だといきなり現場にきて
- 来年はこの工事
- 再来年はこの工事
などどんなに細かく説明されても想像しにくく特にきついです。
スーパーゼネコンだからしっかり管理しているからか、人がいいからかわかりませんが幸いなことにパワハラはないですが、それでも他の仕事が多すぎてきついです。
職人に対して事細かくルールをいわなければなりませんし、役所の方もしょっちゅう現場視察されております。
その1:朝礼、昼礼、夕礼
今までの中小ゼネコンでは、やっても朝礼、昼礼だけです。
しかも特にこれと言って準備をするわけでもなく、元請けが適当な時間に職人全員を集めて職人に作業内容を言ってもらい、元請けが安全注意事項をいうだけです。
特に資料を準備したりしてないです。
ですが、スーパーゼネコンは夕礼まできっちりやります。
また、朝礼、昼礼、夕礼にそれぞれ資料を作成します。
本来はそれは当たり前なんでしょうけど、夕礼資料作るのに時間がかかるのでその間現場監督の安全を見る仕事がおろそかになります。
夕礼終わったらすぐ帰りますし、そもそも昼礼で職人も全員そろって煮詰めた話はしております。
元請けだけのために手間かけてまで夕礼する必要あるんか?って思ってしまう部分があります。
その2:書類の細かさ
いい加減な現場ですと受け取った書類を黙って挟むことが多いですが、スーパーゼネコンでは書類をきっちりやられております。
新規入場者教育の例
一つの例として新規入場者教育についてお話します。
新規入場者教育についてですが、これ当たり前だろと思うかもしれませんが、今までのゼネコンでは新規入場者教育してませんでした。
新規入場者の用紙はもらうけど新規入場者教育はやったふりです。
つまり、職人さんからもらった用紙を持ち帰るだけでおしまいです。
スーパーゼネコンではそれが許されません。
しっかりやらなければなりません。
いい加減な現場ですと、親方に教えてもらってくださいでおしまいですが「現場のルールの周知と現場概要」「安全注意事項」を元請けである現場監督がしっかりお伝えしなければなりません。
もちろん新規入場者教育だけでなく、
- 昼礼用紙
- KY用紙
- 作業終了報告
- 作業指示書
様々な書類が存在します。
ただ、職人さんにKYを書いてもらうだけではありません。
今ではペーパレス化を目指す働きも増えておりますが、スーパーゼネコンですらまだまだ紙の書類だらけです。
その3:ルールの厳しさ
作業するにあたり、スーパーゼネコン特有のがんじがらめのルールのみならず、その企業独自のルールも理解しなくてはなりません。
いい加減な現場だと安全パトロールが来る前だけ、
- 清掃をしっかり
- 掲示物の更新
- 重機周りや第三者通行箇所にカラーコーンやオレンジネット
- 開口部への注意看板
スーパーゼネコンでしたらここら辺は常に意識しなければなりません。
特に危険作業である重機でよく使われるバックホウなんかは四方をバリケードで囲います。
これ、停止時だけでなく、稼働時にもバリケードで囲いなおします。
移動したら人が入れないように四方を速やかに隙間なくバリケードしなければなりません。
さらに重機専門の誘導員もちゃんと配置してます。
私の現場は道路でないですが、道路の工事現場みたいな感じです。
何が何でも重機周りはバリケードで囲わなければなりません。
とはいえ、先ほどの道路工事を見ているとこれは普通のことなんですけどね。
ただ隙間が少しでも空いているとすぐ指摘されます。
なあなあでのバリケード囲いするのはNGです。
誘導員も重機が動いたらすぐに声掛けをします。
その4:打合せが多い
いい加減な現場ですと打合せなんて丸一日ないに等しいですが、
- 朝礼、昼礼、夕礼
- 工程表打合せ
- 作業内容確認
- 災害を出さないためのディスカッション
- 電子化についての講義
など頻繁に打合せが行われます。
私のような建設業2年生でも参加です。
偉い人はさらに鬼のように打合せ、会議があります。
これ、スーパーゼネコンのルールも知らずにきた派遣ですと、難しい話ばかりで混乱します。
その5:メールがたくさん
多すぎて見逃してしまうレベルです。
情報量がすごいです。
毎日たくさんのファイルがメール添付されてくるので、理解の前に見るだけでも1作業になります。
メール以外にも
- Lineのようなツールを使用
- TEAMSを使用
様々なツールを駆使して報連相をしなければなりません。
慣れるまでは、何のツールをどの目的に使用するのかで悩むでしょう。
その6:中途半端なデジタル化
いい加減な現場は大体所長がおじさんなので、全部アナログです。
すべて紙の書類です。
それはそれで古臭いと感じますが、スーパーゼネコンはデジタル化を図る働きが強いと先ほど他で述べました。
そんなスーパーゼネコンですらまだまだ2022年現在では中途半端です。
完全なるペーパーレスはさっぱりできてなく、一種類の書類で紙と電子両方使っているパターンが多いです。
新規入場者登録の例
紙にサインしてパソコンでデータ登録する形になります。
正直めんどくさくて二度手間です。
なら紙だけにすればいいか、電子登録するだけで全員に周知させればいいだけですが、ここら辺はまだ難しい話になりそうです。
全然電子化はできておらず紙の書類は山ほどあります。
連絡手段もメールだけでなくLINEみたいなツールを使用したり、TEAMS会議で画面同期するのに必要な電子書類をまた別のツールで作成会社携帯、PC、IPADでそれぞれ行う形になっています。
ツールだけでなく、使用機器も種類が多いのですぐ混乱します。
負担についてですが
この書類は紙だけなのか、電子だけなのかどちらかにしないと負担が減りません。
初めの一週間まじで使い方覚えるのが大変だった。
その7:昼休憩もろくにとれない、残業当たり前
働き方改革により2024年の残業規制により残業時間が月45時間以内を目指す取り組みをしなければなりません。
私の現場ではすでに意識しており早く帰るように呼び掛けをしています。
ですが、いかんせん仕事量が多いのと中途半端なデジタル化により業務効率化が難しいという話になります。
昼休憩
いい加減な現場でしたら、早休憩、早上がりが現場次第で全然あるので、昼休みはガッツリ寝れます。
スーパーゼネコンはとにかく仕事量が多いので休憩時間まともにとれません。
休憩時間に仕事しているのが当たり前です。
私なんかは昼休みは早くお昼ご飯を食べて爆睡したいので、そこらへんきついです。
残業
いい加減な現場では職人さんが帰ったら我々現場監督も現場点検したら帰りのパターンが多いですが、スーパーゼネコンですと残業も多くなります。
とくに現場担当の人は現場帰ったあとから事務所で書類作成が時間かかるうえ、役所に報告メール、明日の準備をしなければならないので、超大変です。
朝礼の自動化をしている現場がある
働き改革についての書籍を読んでみたら
朝礼の自動化なんてやっている現場もあるそうです。
-
朝礼用モニターに毎朝元請けが作成した朝礼動画を流すことで
- 元請けも動画撮影のほうが緊張しなくて済む
- 職人も元請けも慌てて準備をしなくて済むので気が楽
これ、普通なら元請けが皆の前で作業内容と安全注意事項を発表する形で一斉に集まらなければいけませんでしたが、モニターにて動画を見るようにすればいいので、職人は自分の好きなタイミングで出勤できるようになります。
私としてもスーパーゼネコンの朝礼はかなり緊張してしまうので、動画になったらいいななんて思います。
ただの派遣がスーパーゼネコンの現場で大規模な朝礼をしきるのはおっかないです。
働き方改革について
- 土日はしっかり休む
- 残業時間は月に45時間まで
と規制が設けられるようになります。
それによりデジタル化を貪欲だった企業も業務効率化のためにデジタル化をよぎなくされています。
とはいえ、平均年齢55歳の世界です。
おじさんはそんなこと言われてもついていけないので若者におしつけられ、若者が大切になります。
働き方改革に影響で、確かに全体的な残業時間の削減には成功しているでしょう。
ですが、実際には
- 朝早く出勤して残務処理から始まる
- 昼休みも仕事が片付かなく昼寝ができない
- 早く帰らないと上司から怒られるので、夕方は焦る
などの問題点も出てきます。
国は残業減らせと言うだけで実際なんかしてくれるわけではないので、仕事を減らすための取り組みが中途半端なデジタル化により仕事量がむしろ増えてしまったとなります。
建設業のデジタル化は遅れており、なおかつアナログ世代の多い世界です。
ですが、時代にはさからえないことなのでデジタル化はやるしかないんです。
業務効率化につながればいいのですが、建設業ではまだまだそれが難しいのが実際です。
まとめ
スーパーゼネコンに派遣勤務することのデメリットをご紹介しました。
正社員ももちろん仕事量が多く大変なのですが、派遣ですと、そのスーパーゼネコン独自のルールも覚えていかなくてはいけないので、最初の一か月ぐらいは覚えることが多すぎてわけわからなくなります。
入社目当ての方で高収入得たい人でしたら正社員雇用のために頑張れるかもしれませんが、建設業なのであくまでも残業代で稼いでる人も多いです。
ぐぐると平均年収1000万と出てくるスーパーゼネコンといえども
働き方改革で残業削減により実際は表記よりも一回り低い可能性もあります。
さらに給料ベースは能力よりも経験年数できまる部分が多いため、中途よりも新卒入社が圧倒的に待遇もよく、収入も多い。
といった話を同僚や先輩から聞きました。
なので派遣社員からスーパーゼネコンの正社員になれば高給取りに絶対なれるかどうかは補償できません。
他にもルールの話ではスーパーゼネコン色々厳しいルールをきっちりやり大変だという話をしましたが、
それは本来あるべき姿なのです。
スーパーゼネコンだからというわけではなく、現場として絶対に災害を出したくないから厳しいという考えは、私も納得できます。
現場監督の管理ミスにより災害が起きてしまうと、現場監督に責任が降りかかってくるからこそ厳しいという話は非常にわかります。
ですが、仕事量が多くなってしまうことで、就業時間が長くなり、皆昼休みも寝る暇がなく仕事をしている。
毎日昼休みなしは頭回んないですしきついです。
とデメリットのご紹介なので辛口になりました。
もちろんスーパーゼネコンならではのいいところもありますので、いずれメリットをご紹介してきます。